【日曜メッセージ】「あなたがしたこと、それはキリストにしたことなのです」

Date:2025.06.22

そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』

(マタイによる福音書25章40節)

 マタイによる福音書25章には、イエス・キリストがたとえ話を通してとても大切なことを人々に教えられたことが記録されています。そして、昇天されたキリストが再びこの世に来ることを約束しています。その日その時が一体いつなのかは誰も知りません。しかし、その時キリストが何をなさるのかを聖書は教えています。その時には、イエス様は救い主としてではなく、審判の時の審き主とて迎えられるのです。

 注目したいのは、この時、王なるキリストに、正しい人たちも、そうでない人たちも、みんなが口をそろえて言うのです。「イエス様、あなたにそのようなことを一体いつしたでしょうか(しなかったでしょうか)。」 でも、そこには大きな違いがあったのです。困っている人を助けること、苦しんでいる人に寄り添うこと、寂しい時に訪ねることを、してきた人としてこなかった人の違いです。あなたは、どちらに自分の姿を見出しますか。

 ホスピタリティーという言葉を聞いたことがあるでしょう。狭い意味ではお客様をもてなすこと、「おもてなし」のことを指しますが、現代社会においては、相手のために尽くすこと、心を砕いて対応すること全般を指して使われます。それは福祉や平和にもつながる広い意味を持ちます。そしてそこで最も重要なのは、相手と共感すること、洞察力をもって見ること、そして必要な行動をとることなのです。そのために必要となることこそ、建学の精神である「神を愛し、人を愛し、土を愛す」こと、そのものなのです。その愛と喜びを、いつ、どこでも、誰にでも届けていく使命を私たちは神様から受けています。

 本校では、様々な愛の活動が継続されています。今日は特に、フィリピンを中心とする東南アジアの子どもたちの生活と就学を支えるための活動として、チャイルド・ファンドの活動に賛同して、2人の子どものスポンサーを続けていることについて1年生にも紹介しましょう。この活動に参加して28年目となりました。貧困や家庭事情によって就学ままならない子どもたちを、私たちがスポンサーとなって支えるのです。日本のお金である円は、フィリピンのお金であるペソに直して現地で用いると、5倍から8倍くらいの価値を持つのです。私たちにできることは大きなことではありません。でもそれを何倍にも大きくして支援を実現できるのです。聖書は言います。この最も小さいものにしたのは、キリストにしていることなのだと。あなたは何をすることができますか。一緒に考え、行動していきましょう。

(宗教主任 久保木 崇)