【日曜メッセージ】「 それぞれの賜物 」

Date:2025.11.11

わたしたちも数は多いが、キリストに結ばれて一つの体を形づくっており、各自は互いに部分なのです。わたしたちは、与えられた恵みによって、それぞれ異なった賜物を持っています。(ローマの信徒への手紙12章5~6節a)

 秋、紅葉の深まり、落ち葉の鮮やかな赤、黄の彩も含めて、季節の変化を感じます。山には雪帽子も。様々な姿が一体となる大自然を目の前に、皆さんは何を感じるでしょうか。私たちの学びもこだわりを持った一人ひとりの目標に邁進する日々ですね。学校は皆さんが形作る一体感と共に、一人ひとりの個性の集まりという豊かさが自然と同じくあります。

 芸術の秋、絵画展が開催されていました。様々な大小の作品が、色彩豊かに個性をもって展示されています。輪郭の中にも複雑な色合いや不思議なぼかしがあります。現実の風景に勝るとも劣らない絵は、不思議な魅力です。特に日差しや光の輝きが表現されている画風が私は好きです。元々は別々の色なのに、絵として調和する。一つの色では描けない世界が、そこに描かれている。その色一つひとつの個性は異なるものでありながら、不思議で見事な調和を見せるのです。

 私たちも同じです。私たちは神様によって一人ひとり違いを持って造られました。そしてこの学校に呼び集められ、共同体として一つになっているのです。人数も全日制課程と通信制課程を合わせれば1000名を超える大規模校です。それが一つとなっている。誰一人同じ存在はなく、むしろ一人ひとりの個性ある賜物の輝きがここにはあふれているのです。

 だからこそ注意も与えられています。この賜物は、神から与えられている恵みとして用いるべきものなのです。自分を過大に評価したり、おごり高ぶることは、全体の調和を打ち壊してしまいます。聖書は、神が私たちに分け与えてくださった分に応じて、慎み深く自己を評価することの必要を教えているのです。

 個性は個であることにとどまらず、集まりの中でかけがえのない存在である時に、存在意義と輝きを一段と放ちます。キリストの体として一つである中で、欠くことができない、かけがえのない個としての賜物が与えられている。それが、あなたなのです。

(宗教主任 久保木 崇)

 

※今週の配信が遅れましたこと、お詫びいたします。